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古手川唯……。入学時代からずっと好きだった女の子。初めての広い学校で迷っていると俺に手を差し伸べてくれた。いつもはつらつとした彼女が見せる微笑みは……心臓を高鳴らせた。「好きです!俺と付き合ってください!」予想外だったのか、少し目を大きく見開き、そして俯きながらぽつりと言った。「ごめん、なさい」断られた。付き合うとか、ハレンチなのはまだちょっと……そんなことを言っていた気がするけど俺の頭にははいってこなかった。ただ、目の前が真っ暗になった。
「まったく……結城くんったら……」不意に漏れた笑顔を見て、俺は2日連続で目の前が真っ暗になった。俺にはハレンチなのは……と言っておきながら、あのリトとかいう男とは……それに古手川さんはきっと……。あいつが憎い。あのリトとかいうクズが憎い。俺の事を振った古手川が憎い。そうして何日かたったある日、俺は偶然入った街の雑貨屋で「写真を撮った相手を想うがままに改変できるスマホ」を手に入れた。何度か試行錯誤して本物と確信した俺は、古手川に使用することにした。
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